SARSを追え(7)2003年10月28日
社会●SARSを追え(7)
=======================
私は日本リザルツという国際NGOでこれまで結核やエイズなどの感染症の問題について日本政府にまともな対応をするよう国会議員や外務省にお願いをしてきました。
一方ではタバコを吸うことによるガンの発病が日本に蔓延している問題が放置され続け多くの日本国民がガンで死んでいる(これからもいっぱい死ぬ)ことについてもこれまで厚生労働省に質問をしてタバコを即刻麻薬に指定して禁止するよう求めてきました。
そして、自分がSARSのことを調べるにあたり医学知識を学び始めて実は結核・エイズ、SARS、ガンの3つがある一点でつながることに気づきました。
それは「免疫」です。
私は5月以来、有能な医学研究者らと出会うことができました。以前からガンについては埼玉がんセンターの野口行雄先生(東北大学医学部出身)、今年になってエイズについてはセス=バークレー先生(ロックフェラー大学医学部出身)、SARSについては岩本愛吉先生(東京大学医科学研究所)。彼らに私の思っている疑問をぶつけてみました。またインターネット上ですが山内一也先生(東京大学名誉教授)の「連続講座 人獣共通感染症」
も面白いのでほとんど読みました。
しかし、山内先生の講義を読んでいて思ったのは獣医学というのは「隠れた医学」なのです。今回のSARSは「人獣共通感染症」といちおう片付けられています。もともとは動物から人間にウィルスがジャンプしてうつった……それがハクビシンなのかサルかはいまだにわかりません。
私は根路銘(ねろめ)国昭先生がこの間発表したSARSウィルスの系統樹の論文……世界で系統樹を初めて作成しその源流はさかのぼればおそらくトリなどの動物だった……という発表は信じていません。自然界のしかも動物のウィルスという結論には都合がいい理屈で、WHOも胸をなでおろしているでしょうが無理があります。
なぜなら、この連載の冒頭でも書いたようにウィルスの突然変異ではそのウィルスの力が弱くなることはあってもSARSのように凶悪にはならないのです。ですから、今回の件で自然界のウィルスの突然変異説はどんな医学者が言おうがウソです。
ウィルスは人為的に合成し選別して培養したときに初めて前より強くなれるのです。
そして、ウィルスの研究は軍事であろうが平和のための医学研究であろうがまず動物で実験が行われます。
SARSはコロナウィルスの一種と考えられています。そのコロナウィルスは動物のウィルスがほとんどです。
しかも、SARSウィルスは他のコロナウィルスと違ってミドリザルの腎臓細胞で培養ができたのです。これはおかしいのです。ハクビシンの細胞ではないのです。
「ミドリザルの腎臓細胞で培養できたウィルス」というのはどちらかというとまさにマールブルグ病ウィルスなどの凶悪な出血熱ウィルスとかなのです。ちなみに日本でも問題になった「O157」もミドリザルの腎臓細胞から得られるベロ毒素に由来するものです。(この点からも私は細菌O157は以前この新聞で読者の青龍氏が指摘した生物兵器ではないかという説……にもしかしたら?と思い出しているのです。)
あのエイズでさえ初期は「アフリカのミドリザルから人間にサルのエイズウィルスがうつった」なんてことがまことしやかに言われていたのです。(いまだに言われている)
「ミドリザルが出てくるものは怪しい」と読者は思っていてください。
つまり、人体実験は旧日本軍の731部隊のようにやると非人道的なので大問題になりなかなかできませんが、サルをはじめとする動物には「人権」は無いし「非動物道的」ということばすらないので、いくらでも残虐な生体解剖やウィルス注射ができるのです。そして現実に世界各国で今もやっています。軍から民間まで……。1960年代には生きたサルの首を外科手術でちょんぎって輸血だけで2週間首だけ生かしたなんて実験さえ正々堂々と行われて、その成果は医学界で賞賛されたのです。いずれ人間にも応用できるから……。
獣医学は一般的には「犬猫病院」と思われますが、実は医学者にとってあらゆる狂気が試せるかっこうの場所なのです。私はこれまで人間の医学に比べると影が薄いと思っていた獣医学は生物兵器の研究開発と密接なのだと認識しました。
(内海君:小市民)
スポンサーサイト
SARSを追え(6)2003年10月2日
社会●SARSを追え(6)
=======================
前号の続きです。(No.279:2003/9/20:社会●SARSを追え(4))で挙げた基本認識をもとに今回のSARS問題を考えてみましょう。
9.旧ソ連はエボラウィルスと天然痘をDNA操作で合体させたウィルス兵器などの開発に成功した模様。
10.DNA組換え(遺伝子操作)でウィルス兵器を作り出すことは可能でどんどんやっている。
14.アメリカにおいてバイオ技術の最先端の科学者と研究設備を持っているのは実はCDCや大学の研究施設でなく陸軍の持つ生物兵器研究所のフォート・デトリックである。
15.アメリカ・旧ソ連にしても常に表に出てこない軍の抱える科学者が最先端科学技術について民間の科学者より先をいっており、その成果はたとえ学術的に画期的だったとしても、上層部の許可がされるまで発表されなかったりすることも多い。
これらの認識は、バイオ技術の発達の歴史と密接です。DNAが1940年代に理論的に予測されて1960年代には最先端の研究所(一部の大学とか軍とか)において一般市民の手の届かない範囲で遺伝子操作が始められました。単なるこれまでの植物や動物の「交配」というレベルでなく細胞からDNAを取り出し、切り貼りして培養して増殖させ別の生物を作り出す……さすがに人間のような巨大な生命体ではできませんが(今はできる)細菌やウィルスなどDNAの数が少ないものでは出来る状態になっていたのです。
当然各国政府の政治家や軍の上層部は「遺伝子技術を駆使して最強の生物兵器をつくれ」という指示を秘密にやりだします。軍に囲われている科学者たちは、民間や大学研究室の予算のみみっちさなんか関係なく湯水のような予算で熱中してどんどんウィルス兵器を作り出していったのです。国連常任理事国(アメリカ、イギリス、フランス、ソ連、中国)は当然やっているわけです。
それから、SARSでもアメリカのCDC(米国厚生省疾病管理・予防センター)が出てきて、世界の伝染病対策はCDCがもっともすごいんだ?と錯覚しがちですが、本当にすごいのはアメリカ陸軍のフォートデトリックなのです。これは「ウィルスハンター」という本を読めばわかりますが、CDCの予算や設備は貧弱でようやく最近でこそP4レベルの実験室が2つ持てましたが、アメリカ陸軍はもっと広大で多数の実験施設と専用の人員を持った設備をフォートデトリックに持っているのです。当然予算も研究者の質なども民間対応のCDCなんかより上なのです。
つまり、軍事技術というのはすべての科学の分野において優先されており、民間がそのトピックについて実態を知るころになると軍では用済み。次の新技術の開発を密かにしているということです。
SF映画の「イン=ディペンデンス=デイ」に軍の秘密研究所「エリア51」が出てきますが、あそこに10年間も軍の研究に専念させられ外に出られない天才科学者たちが登場します。ああいう存在はまんざらウソでもないということです。
そして1970年から80年ぐらいでは民間にもそういった技術が開放されて(インターネットがアメリカ軍で占有するレベルから民間に使わせるようになったように)お酒のメーカーとか医薬品会社がバイオ商品を開発していくわけです。
ところが、私は今回、分子生物学やウィルス学を勉強しだして、正直、生物化学兵器が「貧者の核兵器」と呼ばれる理由を痛感しました。
それは、バイオ操作というのは無理してP4レベルの設備を持たなくても、かなりいい加減な設備でも「やってしまう」ことができるのです。しかも、その材料は楽に民間レベルで買えるのです。
「バイオ=ハザード」の本で旧ソ連の生物兵器開発プロジェクトを指揮していた著者ケン=アリベック氏は「マールブルグ病など世界中からあらゆる強力な細菌の株を集めた」というようなことを述べています。これはほとんどの場合、民間の学術研究などの名目で敵国からでも平気に調達してしまうのです。実際ソ連の生物兵器開発部隊はマールブルグ病がドイツで初めて発生した後、ウィルス株を学術目的で手に入れ、自分たちでより強力なウィルスに改造していました。
つまり、あの恐怖の「エボラのウィルス株」でさえも金さえ出せば世界中どっかしらから持ってこれるのです。しかも正々堂々と「エボラワクチンを作る医学研究をするため」とか抜かしてです。こうして細菌兵器開発は常に医学研究と並行して進められるのですから厄介です。
旧大日本帝国陸軍の731部隊も表向きは伝染病の予防研究をするということで研究をしていました。ソ連の医学アカデミーの研究者が裏では細菌兵器開発をした構図とまったく一緒で東大や京大の医学部のもっとも優秀な先端研究者たちが軍属となり731部隊の研究所で湯水のような予算のもとに「なんでもあり」の研究に熱中しました。そこであの「マルタ」……生きた人間を何千人も生体解剖したり人間を動物以下にもてあそぶような鬼畜のような行為が行われたのです。しかし、一方で彼らはその人体実験の成果をもとに実際に人の命を救うワクチンも作りました。それは公衆衛生の名のもと細菌兵器を使った場合味方の兵士が死なないようにするためのものです。
でも、その人たちが戦後処罰もされず今の日本の東大・京大などの名誉教授であり日本医学界の長老となってデカイ面しているのですが……あなたはどう思われますか。
この点が核兵器の開発ですと放射能の危険が大きいので簡単にはいきません。ですが、細菌兵器はちょっと勉強した人なら「金持ち」が研究施設さえ与えれば簡単に製造できる可能性があるのです。
たとえば日本の関西にある「タカラバイオ」(宝酒造という有名なお酒のメーカーの子会社)はSARSウィルスの検査技術をいち早く開発して話題にもなったのですが、いっぽうで研究用試薬として「ウィルスの素」も販売しています。イタリアから輸入したマウス白血病ウィルスを利用したウィルスベクター(わかりやすく言うならウィルスの枠)です。この「商品」のDNA構造は公表されていて誰でも知ることができます。
値段はウン万円です。核兵器が数億円、トマホークが安くなったそうですが5000万円ですから、ぜんぜん安いですね。なお、危険性のない研究目的であることが同社の審査で通れば50万円ぐらい払うと1ヶ月ぐらいで同社があなたに代わってウィルスベクターに特定の遺伝子を組み込んで「ウィルスもどき」を製造してくれます。ウィルス製造はここまで市民に手の届くものとなりました?
これを買って来て、バイオ操作すれば自分の好きなウィルス、しかも人間や哺乳類に感染して効果が出せるものが作れてしまうのです。
ただ、こういうと頭の悪い人がサルまねして細菌兵器を作るだろうということで、感染しても一回こっきりしか結果が「発現」しないようにバイオ操作して増殖機能を外してあります。だから、増殖しません。
しかしです。それは表ではそうだと言い切っても、これを改造すれば……そう、増殖できるようにすれば……「合成ウィルス」とやらは何も軍のP4レベルの研究所でなくても、自分や周りの仲間がバイオ=ハザードで死んでもかまわないという無謀さがあれば作ること自体はできるのです。
皆さんが、新聞やマスコミでおなじみの山内一也、東大名誉教授(獣医学の権威でSARSなどのエマージング感染症の権威)が自分の本で、ウィルス兵器がいとも簡単に作れるので、こわくて詳しい情報が書けないようなことをぽつりと書いていました。もっともな話で、アカデミックにまともなことを説明したらそのままウィルス兵器を作れるマニュアルにも使われてしまうという自己矛盾があるのです。
でも、これが実質防げないのです。なぜなら、すべては基本的な医学情報だからです。
こんな状態ですから、中国や北朝鮮が後進国だから……という思い込みは危険です。彼らはわれわれの想像を超えたレベルでもう「かなり」やっているのです。そして、最大の問題は核兵器は国際査察が実行されるのに、生物化学兵器は条約がいい加減にされているのでほとんどできないでいるということです。
(内海君:小市民)
SARSを追え(5)2003年10月1日
社会●SARSを追え(5)
=======================
(No.279:2003/9/20:社会●SARSを追え(4))で挙げた基本認識をもとに今回のSARS問題を考えてみましょう。
私がショックだったのは、旧ソ連のゴルバチョフ書記長があたかもノーベル平和賞の人のような善人だと思っていたのですが、実態はウソもいいところでとんでもない悪人の一人だということです。彼は表向きの笑顔の裏で生物化学兵器の開発をソ連書記長時代KGBに平然と指示していたからです。
さて、認識1~6を再度書いておきます。
1.旧ソ連はアメリカをはるかにしのぐ「生物化学兵器」大国で、技術水準も高かった。
2.旧ソ連ではあらゆる役所(農業省やら商工省にあたるものから、大学の医学部、医学研究所)が裏で生物化学兵器組織をもっており、莫大な予算と頭脳が投下されていた。
3.旧ソ連の生物化学兵器技術者は表向きは優秀な医学者、科学アカデミーの会員で一般の人が会っても裏でそういうことをしているとは思えないように善人を装っていた。
4.旧ソ連は世界中からあらゆる病原体を集め、天然痘、炭素菌、マールブルグ病などを熱心に研究していた。
5.旧ソ連の生物化学兵器研究施設、軍の生物化学兵器貯蔵庫などの施設は40か所以上もあった。
6.生物化学兵器の製造を指示していた大元はKGBであり、ゴルバチョフ、エリツィンら歴代の書記長はその実態を把握して自分たちで開発の指示をしていた。
今回、SARS流行が世界的に話題になりだしたころ、ロシア科学アカデミーの医学専門家らが相次いでSARSが人造ウィルスで、「麻疹」と「おたふくかぜ」のハイブリッドだとかなり具体的なコメントをしてこれは世界で報じられました。
★SARSは生物兵器であるという見解を報じた記事
Print Email
Last Update: Friday, April 11, 2003. 11:11pm (AEST)
SARS could be biological weapon: experts
Russian infectious disease experts say Severe Acute Respiratory Syndrome (SARS) may be a man-made biological weapon.
Nikolai Filatov, head of Moscow's epidemiological services, told the Gazeta daily that he thought the pneumonia was man-made because "there is no vaccine for this virus, its make-up is unclear, it has not been very widespread and the population is not immune to it".
Yet he had some reservations, since the virus has a low mortality rate - so far killing 4 per cent of those infected - and because it is relatively difficult to pass on - through direct contact or inhalation.
The virus, according to Academy of Medicine member Sergei Kolesnikov, is a cocktail of mumps and measles, whose mix could never appear in nature.
"We can only get that in a laboratory," he told a conference in the Siberian city of Irkutsk, quoted by RIA Novosti news agency.
It may have spread because of an "accidental leak" from a lab, he said.
More than 100 people have died and some 3,000 others have been infected by SARS, which is believed to have originated in China's southern Guangdong province.
【訳・内海君】
「SARSは生物兵器」:
ロシアの感染症の専門家はSARSはおそらく人工の生物兵器だろうと語った。
モスクワの公衆疫学局長ニコライ=フィラトフは「このウィルスにはワクチンがなく、構造はわからないが、感染の拡散状況が狭く感染母集団にも既存の免疫がない。」ことからこの肺炎は人工によるものと考えられるとガゼッタ=デイリーに語った。
しかし、若干の疑念もある。このウィルスの致死率が低いことだ。感染者の4%が死亡しているにすぎず、直接の接触やウィルスを吸い込まないと感染しづらいようだからだ。
このウィルスについてロシア医学アカデミーのセルゲイ=コレスニコフはおたくふかぜと麻疹の合成だと説明している。このような合成は自然界では起こらないという。
RIAノーボスチ新聞社によると彼はシベリア市イルツースクの会議で「研究所のみでできることだ。」とコメントした。
「研究所からのバイオハザードかもしれない。」
100名をこす人が死に、3000名が感染しているSARSは中国広東省南部が発祥地だといわれている。
……実は、この見解は、その後SARSの原因ウィルスが「新型」コロナウィルスだとWHOが公式見解で「決めた」ので「ちがうだろー」となったようなのですが、私はその当時も今も、この説は案外正しかったのではないかと思っています。こうしてSARSウィルスのDNAを調べれば調べるほど間違いだとは言い切れないからです。実は今日現在の私の認識ではこの説は力強い可能性さえしているのです。
それは、認識1~6のように
【ソ連医学アカデミーの専門家=ソ連生物化学兵器の開発研究者】
はほぼ確実であるのですから。彼らが第一声でコメントしたのは意味があるのです。
日本の厚生労働省はこういう現象が起きても最初から細菌兵器やバイオ=ハザードなんて考えもしないでしょう。でも、ロシアは軍事的緊張に生きてきた国ですから常に危機管理体制が機能しており、しかも医学専門家と称して生物化学兵器部隊の軍人を配置しているのでこういう現象が起きると他国のことでもいち早く分析し対応を考えているのです。
日本政府はこういうソ連やアメリカのような軍事国家の「いいとこ」はまねしないで、間抜けな部分ばかりまねするので「クソ」なんです。挙句の果てに厚生労働省は何回でも薬害を連発して国民を殺しまくる……。
彼ら「プロ」は自分たちでもきっと開発している実態を知り尽くしているので他国がやったことでも現象や挙動から「あー、あれやったな……」と思うのは当然だからです。単なる謀略の宣伝合戦とは言い切れないのです。ロシアが中国を非難する理由はあの当時ないし、それよりも認識8……
8.旧ソ連からロシアになっても生物化学兵器の研究開発は弱まることなく続けられている。また、大量の科学者がイラン、イラク、北朝鮮、キューバ、中国、インドなどアメリカの仮想敵国に雇われたり技術指南を行っている。
からすれば
【中国軍の生物化学兵器製造技術はソ連からの技術支援によって成立した】
ということは間違いないからです。「親分」ですから。アメリカ議会の報告書では数年前でも中国の生物化学兵器部隊は46000人もの研究者とスタッフで研究開発をしているとあるのです。
(内海君:小市民)